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2023年9月14日 

 

ベーテルスタッフにおける 

COVD-19ワクチン(ファイザー)接種結果 

−第6回目接種 接種直前と一月後抗体価測定結果報告− 

 

2023年5月8日、新型コロナウイルスが5類感染症に移行となった同日に、当院ベーテルでは春の追加ワクチン接種を行いました。当院では第6回目の新型コロナワクチンの接種となります。5/17~7/12の間に行いました。 

 この間当院は、「ベーテル病棟にコロナを持ち込まない」を合言葉に、全スタッフが感染予防対策に継続して取り組んでまいりました。今回からワクチンはオミクロン株対応2価ワクチンとなり、またいつか来るであろう第9波に備え、早々にワクチンの接種の計画を進めてきました。 

 今回は、第6回目の新型コロナワクチン接種を受けた51名の職員の、ワクチン接種前抗体価と、4週後の抗体価について報告します。 

 (図1)5回目のワクチン(2022年11/28から2022年12月6日にワクチン接種)から4週経過した抗体価から、約半年後の6回目ワクチン接種の抗体価の推移のグラフになります。5回目ワクチン接種の、4週後の抗体価の平均は、185.90AU/mlでした。 

 (図2)6回目ワクチン接種前の抗体価は、平均97.15AU/mlで、陽性を保っていました。5回目ワクチン接種後の平均の約、半分の数値となり、約6か月前に行った、5回目ワクチン前の抗体価の平均は、76.0AU/mlでしたので、全体的に高い値で陽性が保たれていました。新型コロナウイルス感染症は感染症5類としての分類措置となりました。これからは感染者数の把握も、公式発表もなくなります。より一層の油断ない感染予防対策が必要となり、発熱やコロナ感染の情報をこまめに収集し、「持ちこまない」を更に徹底することになります。 

 ワクチン接種から4週後の抗体価測定は、6/27~8/9の間に実施しました。 

6回目ワクチン後4週の抗体価平均は、163.09AU/mlと51名が上昇していました。オミクロン株2価ワクチンへの効果がより期待できます。 

しかし、7月中旬、職員からの持ち込みと考えられる、院内クラスターが発生しました。鉄壁の守りのベーテルも、5類移行措置によりあえなく沈没です。皆が必死にこれ以上感染者が増えないようにと、全職員総出で、ケアと感染対策にあたりました。幸い重症化した方はなく、収束を迎えることができました。この点については、ホームページ上で既にお知らせを差し上げました。なお、次回はコロナウイルスに感染してしまった方々の抗体価について、お話し申し上げます。 

 世の中では、8月に入ってからは制限のないイベント等が目白押しに開催されていきました。その結果、つかの間の一息もつかない状態で、感染拡大第9波がやってきています。外来では、コロナ陽性の報告が次々と入ります。外来受診前の健康チェックはもちろん、感染なさった方々にはできる限りの詳しい状態報告を徹底してお願いしております。 

9月20日からは、秋の新型コロナウイルス追加接種が開始となります。ベーテルはワクチン接種を計画的に進めていきます。第9の波に飲み込まれないよう、これまでのノウハウを活かし、感染しない、させない予防にあたります。合い言葉「ベーテルにコロナを持ち込まない」を心に刻んで、日々感染予防に努めてまいります。 

<予稿:海野美千代、文責:Drソガ> 

 

 

ダリア祭り開催


梅雨の晴れ間に恵まれたのは、我々の日頃の行いの賜物でしょうか。先日7月7日の七夕に、ベーテル3大花祭りのひとつ、「ダリア祭り」が行われました。 

今年は気温上昇が早く、ベーテルの全ての花が季節先取りのように、咲いては散って咲いては散っております。ダリアも同様で、あっという間に咲き、見頃のピークとなりました。 

 ダリアの球根は、とてもデリケートで、冬の寒さには耐えられません。ベーテルの室内で暖かい布団のようなピートモスというコケに包まれて、春を待ちました。 

種子からそだてたダリアもございますが、球根のダリアも、どちらも花が咲いてから1週間を待たずに散っていきます。まるで、花が咲いている時期だけが、ダリアじゃないよ…と我々に言っているようにも思えます。 

 我々は、日々ベーテルの中で、患者さんたちのリハビリアプローチをしておりますが、状態が回復して、輝く患者さんたちの顔。まして、病院ですから、元気になれば退院です。 

なんか、ダリアの開花に似ていますね。 

 ダリア祭りは、ベーテルの外で行われました。気温も夏本番前と言った感じで、外で活動するのにはちょうど良かった。おやつのアイスクリームを青空の元味わい、夏を感じ、楽しんだ時間となりました。 

Covid-19の第九波が、沖縄を襲っております。感染対策を徹底している今日でも、あちらでクラスター、こちらで感染と、気の抜けない状況下がまだまだ続きますが、開放的なイベントで、患者さんみんなが心から楽しめる時期が早く来ることを願うばかりです。 

 有賀 穣 

 

2023年5月29日 

バラ祭り開催 

                                                      

ベーテルは、四季折々の花々を楽しむことができる病院で、花を愛でる優しい想いにあふれた環境となっています。季節ごとにたくさんのお花に包まれるので、病棟の患者の皆さまと共に花祭りを開催するようになりました。その一つが、今回開催のバラ祭りです。例年ですと、6月中旬の開催ですが、春らしくない気温上昇で、みるみる間に生長し一斉に蕾がつき始め、そして一斉にみごとに咲き誇りました。チューリップに続き2週間ほど早い開花でした。 

 ベーテル登り口の白いつるバラは、昨年、専門家の手を借り、古枝を切り落とし剪定作業を加えたこともあり、例年通り開花するか心配していましたが、次々と蕾を持ち満開になりました。この白いつるバラは、「てんかんケア仙台2011‐1」の表紙を飾っています。儚い白バラの花弁が絨毯のように敷きつめられた見事な写真の1枚です。傷つきやすい花びら、儚い花びらを素晴らしいタイミングでDrソガが画像に残してくださいました。例年ですと最初に咲き終わり、その後に鉢のバラが咲き出すのでが、今年は他の鉢のバラたちと口裏を合わせたように、一斉に咲き誇り皆さんの目を楽しませてくれました。 

バラ祭り当日は何と朝から雨模様。外での開催を断念するしかありませんでした。そこで、特に咲き姿が立派な5鉢を体育館に運び、日々咲き始めたころから写真に収めていた花々の成長記録を、映像で流しながらOTの解説付きで楽しむことにしました。 

しかし、雨模様ではありましたが、一斉に咲いたたくさんの美しいバラを、闘病中の患者さんに実際に見せてあげたいという思いから、小雨になった時を見計らって、傘をさして外に観賞に行くことにしました。雨降りの薔薇は、また格別の風景があるはずですから。 

すると、なんと最初の班が出かける寸前に奇跡的に雨がやみました。戸外での活動と花の美しさに、患者さんのにぎやかな声が響きました。顔を寄せ香りを感じたり、優しく手に触れたり、バラと共に写真を撮ったり、グループごとに品評会をしたり、いかにもバラ園にでもいるかのような雰囲気で、様々な場所に咲き誇っているバラたちと優しい表情で会話しているようでした。特に黄色の花が印象に残ったと多くの患者さんから感動の声を聞くことができました。今回の企画は、入院治療を頑張る皆さま方に喜んで頂けて、大・大成功でした。 

べーテルのたくさんのお花は、てんかんの方々のための社会復帰を支援するハンス・バーガー協会運営の就労継続支援B型作業所リーチェの園芸班が、愛情をこめて育てています。バラも同様で、特に植え替えから剪定、肥料や水の管理、そして虫や病気の戦いを経て咲き誇ったものです。しかし愛情を注いでも、枯れてしまうものが毎年3~5本あり、買い足しています。鉢植えには限界がありますが、剪定や育て方を学び、更に多くの花を咲かせたいと思います。花々を愛でることにより、気持ちが癒され、病棟生活を明るく乗り切れれば幸いです。この時期は、外来の窓を開ける時が多くなり、風に乗り香が注いでくることもあります。もう少しの間、咲き続ける花や香りをお楽しみいただけることでしょう。 

 笠松 初枝 

 

ECRCS-① 2023プログラム 

 

13:00−13:10 

てんかんケア仙台三位一体、呼びかけ人のご紹介 

 ・カーレ仙台CARE Sendai-CARE:代表 海野美千代 

 ・ハンス・バーガー協会HBA:理事長 國井陽介 

 ・てんかん専門病院BETHEL EHBJ:開設者 曾我孝志 

 ・てんかん専門クリニック仙台駅前ベーテル:院長 荒谷菜海 

 ・お世話係 

13:15−13:30 

1 発会 

・ECRCS-① 2023開会 

・開会のご挨拶 カーレ仙台 海野美千代 

・ご参席者ご芳名のご紹介 ハンス・バーガー協会 國井陽介 

13:30−14:15 

2 ご紹介 

・ECRCS初会合の背景資料のご説明 事務局 加藤千春 

・ご参加者の自己紹介 

 (自己紹介をお願いします、5分ほどでお願いします) 

14:15−15:00 

セッション1 てんかんの外来診療と専門看護管理 

 ・入所施設の方々の外来診療の実情 外来看護師 阿部亜里沙 

 ・御参席者間の懇談 

15:00−15:15 

コーフィブレイク 

15:15−16:15 

セッション2 入院診療と外来フォロー 

 ・入所施設利用者の入院の現状 病棟看護師 石川真弓 

 ・御参席者間の懇談 

16:15−16:45 

セッション3 ECRCS-② 2024の開催までの 

 ・てんかんの利用者を守るためには 

 ・御参席者間の懇談 

16:45−17:00 

まとめ 

 ・御参席者代表 二階堂明彦 

 ・てんかんケア仙台 荒谷菜海 

 

 

仙台てんかんケア資源開拓コンソーシアム 

 愛称−てんかんの利用者さんを守る懇話会 

福祉施設関係者と専門医療関係者との協働 

 

  初の試みとなる福祉関係者と専門医療者が協働する「てんかんの利用者たちを守る懇話会・仙台」が、2023年5月26日にホテルメトロポリタン仙台で開催されました。午後半日を費やす会議でしたが、「大いに語り合い」、てんかんの利用者さんを守るため、最後まで和気あいあいと進みました。ECRCS、仙台てんかんケア資源開拓会議と堅苦しい会議の名称ながら、入所利用者さんのてんかんケアを大いに語り合えました。盛会を喜びながら、先ずはてんかん懇話会のために多忙を極める職員の皆さま方をご派遣下さった施設長の方々に心より感謝申し上げます。 

開設30年にもなるてんかん専門病院ベーテルには、福祉施設に入所中のてんかんの患者さんがお通いです。20年間もベーテルにお通いの方も多数おられます。その方々のてんかんは重症、重度の方が大半を占め、闘病生活は語るに余りありほどです。加えて、その方々にも高齢化が進んでいます。特に重い肺炎になり救命治療が必要であったり、また成人病、高齢病の病魔に襲われる方々が増えてきました。お世話する施設の方々の苦労が重なってきています。 

 お集まり頂いたのはベーテルにお通いの入所施設の施設長、ケア担当の方々で、14施設から30名でした。言うまでもなく、入所施設は重いてんかんの方々をお世話なさっておられます。その利用者の方々も高齢化が進み、近年成人病、老齢病の身体合併症に襲われている情報が増えています。てんかん発作の群発や重積への対応に追われるのがこれまでの姿でした。これからは高齢化に伴う合併症への上手な救急対応の姿が求められるようになりました。 

本会議の開催趣旨は、高齢化するてんかんの施設利用者をあらためて守っていくには、福祉施設職員とてんかん専門病院スタッフの両者が協働して情報を共有し、てんかん発作と高齢化合併症対策をとりまとめていくことにあります。さしあたり、個人ごとに情報を適切なものとすることから始め、ケアマニュアルとなる個別プログラムを作成していくとなりましょう。とにかく、先ずは直接一堂にお会いすることから始まります。 

会議は、プログラムのとおりです。 

今回は礼儀として、ベーテル側からの話題提供とし 

1、    当院にお通い中の入所施設利用者204名のてんかん概要 

2、    てんかんの外来診療と専門看護管理の実際 

3、    てんかん病棟での入院診療から外来フォローへの橋渡し をご紹介いたしました。 

次に 

4、    上記2と3でご紹介差し上げた入所施設を利用する方々の症例を通した話題提供に関して、ご参席者参加者からご意見、ご見解をご発言いただきました。 

5、    最後に、「てんかんの利用者さんを守る」を締めくくりました。 

 

 ご参席者からは、 

1、    全身けいれんの発作を見たことがないスタッフが多くなり、てんかん発作の観察と記録からの再教育が必要だ 

2、    小型の発作症状の見分け方へ重点を置いた、利用者さん毎の個別教育が必要となっている 

3、    利用者50人に対し看護師が一人の体制で十分な利用者の管理までは手が回らない 

4、    てんかん発作の重積時の救急病院の受け入れに困難があった 

5、    てんかん以外の他科受診時にも毎回てんかんの説明が必要 

6、    特に精神科受診ではてんかんの診断作業が優先される 

7、    転倒を伴う発作があり危険を伴う事態でも、ご家族に転院を薦めるのは職柄難しい 

などのご意見が披露されました。 

なお、この会議は参席者を限定したいわゆるクローズドな会議ですので、概括報告はありましょうが、個別の、発言・意見・提言が公開されることはありません。とはいえ、初めての試みの会でもあり、呼びかけ人含めて、知り合い以上とはなってのクローズドな会議に手慣れるのはなかなか難しいものなのかもしれません。 

 

 大変に有意義な会となりました。不慣れはご容赦ください。ご参席のご施設さまからは現状の一端をご披露いただきました。呼びかけ側の医療スタッフ側もどのご施設にも実際に見学させていただき、利用者さんがお住まいのお姿に触れさせていただければと、願っています。 

最後になりますが、ECRCS の今後の展開と発展のために、ご参席のご施設、スタッフの方々には、今後のECRCS開催のお世話役をお願いできれば幸いです。合言葉は、重症化し高齢化していくてんかんの姿を想像し(imagine)、次代を創る(shape the future)です。生涯に渡って伴奏する私どもケアラーしかできないことなのです。 

医療サイドからは生涯てんかんケアの専門家、ご参席者施設スタッフサイドからは私たち以外にはいない伴走者。入所施設利用者のみなさまからそのように評価されたいものです。 

追補となりますが、入所施設とは見做されていない、いわゆるグループホームを利用されている、それなりに重度のてんかんの方々がいらっしゃることに気づきます。この会議を引き継ぐ形でその方々に伴走するご施設の方々とお会いしたいと願っております。本日ご参席のご施設も既に多数のグループホームを運営なさっておられます。てんかんの利用者さん達のお導きについて、運営方のご案内をご指南頂ければ幸いです。 

 Ⅰ年後の次回ECRCS①-2024開催でお会いできますよう、楽しみにしております。 

 カーレ仙台 海野美千代 



 

2022/6/24
MACBJ(MACB:Monthly  All Members Conference BETHEL Japan)
MDTB定期症例検討会(MDTB:多面的ティームアプローチ)
第118 回:公開版2022−6 

 
要約
症例 10代男性
診断 小児欠神てんかん
基礎疾患 なし
成因関連 なし
てんかん発病 3才
てんかん発作型 欠神発作
てんかん症候群
大脳MRI所見 特記所見なし
発作時脳波 前頭~全汎性に3Hzの棘徐波複合の出現
間欠時脳波  覚醒時に前頭優位に棘徐波複合が数回みられる
てんかん外科適応 なし
入院理由 行動問題の確認
発作抑制予測 発作抑制可能
生活上昇期待 行動問題の改善により穏やかな人間関係の獲得可能
症例検討理由 発育上抱えた問題点を知り必要な支援を探る
外来看護管理 社会生活上の諸問題を早期にキャッチし次に繋ぐ
地域支援役割 教育委員会等の学校関係者の支援に繋げていく
身体的合併症 なし
 
てんかんケアのキーポイント 
1、てんかんの精密診断作業を進める 
2、日常生活行動に関する問題点の洗い出し 
3、学校問題に関し、担任や地域のコーディネーターと調整を図る 
 
<看護―入院> 
1 今回の入院理由 
発作症状確認と生活行動面の悪化問題により観察・精査入院となった 
2 てんかん病歴 
3歳保育園の遠足から帰宅したところ突然首を左に傾けぐるぐると周りながら歩く様子が20秒、母の呼びかけに反応なく、体を押さえて動きを止めたという。口唇チアノーゼ、意識消失、口から少しずつ泡を吹き、眼球上転15秒見られた。QQ搬送となり、意識が戻ったのは病院で、点滴を受けている時であった。後日説明とのことで帰宅した。 
脳波検査を受け、結果を聞く予定の日に、保育園で急に硬直し再びQQ搬送され脳波検査を受けることになった。後日小児科受診し、脳波の結果てんかんの診断を受けた。発作波出現ありとのことで、セレニカ処方となる。その後3カ月に1回通院、年1回の脳波検査でフォローとなっていた。 
5才時に、呼名反応なく流涎、脱力、眼球上転ありQQ搬送されている。その後、紹介にてベーテル初診となる。約1ヵ月後、脳波精密診断作業目的にて、第1回目のモニタリング入院が計画となった。 
 
入院1回目:脳波モニタリング検査にて欠神発作波頻発に出現あり、小児欠神てんかんの診断をうける。VAP300mgにて血中濃度;39.6と低値のため400mgに増量、ザロンチン追加され退院。 
2回目;精密検査入院。イスから崩れ落ちる発作確認された。脳波検査にて欠神波は見えない状況、ごく稀に左前頭に異常波を残していた。VAP600mg、LTG50mgで退院。 
3回目;最近の発作は2022年2月睡眠中右偏視、ハアハアと呼吸し動 
悸症状あり、生活行動面(ゲーム依存・暴れる・登校嫌がる等) 
悪化問題となり観察・精査入院となった。 
入院看護評価 
これまでの入院で過呼吸様症状が確認されているが、今回生活行動面での悪化がメインでの入院となっている。ベーテルでの集団生活で規則正しい生活を獲得し、人とのつきあい方を学ぶ機会となれば幸いと考え日課表作成に取り組んだ。自ら毎日の行動を振り返り記録することにも取り組んでみた。生活の中できる事できない事の確認作業を一緒に行い、できたらどんなに些細な事でも褒めるを繰り返すという看護支援を継続したところ、これをやってみたいと自ら手をあげ、徐々にではあるが洗濯を始め、できる事が増えてきている。しかし、集団に入り落ち着いて活動することができていない。他患者さんとの人間関係が上手くいかないと、周囲が調整に入ろうとしても全く聞き入れる状況になく、自分自身でもどうしようもない状況に陥り、歩き回る寝転ぶじだんだを踏む、物に当たるを繰り返す様子がしばしば見られている。ある程度落ち着くまで見守るしかない状況であった。 
1対1の人間関係を好む傾向がある。が、毎日継続した学校との朝のリモートも30分を確実に実行できた実績がない。自分の顔も見せようとしない彼が自ら参加しようと取り組んでくれるのをじっと待っているようであった。終業式に間に合うように退院計画を考えたが、私たちは、この短期間で多くの問題点が表出してきた彼の問題を、解決できる手段を探しあぐねている。 
 
治療経過に関連する看護計画 
入院中過呼吸様の発作症状みられた。一人行動苦手で常に誰かに関わりを持ちたがる。遊びや日常生活を通じて感情の表出する機会をつくり、受容的共感的な態度で接し、思いを受け止め、要求には可能か不可能か、善悪をはっきり伝える・無理に考えを強要せず言葉を換え引き出す。勉強する環境作り、日常生活の行動や状況から「何を伝えたいのか」「何をしたいのか・して欲しかったのか」を客観的に判断し実践できる事は行いますが、感情的にならずに対応が必要と考え現在まだ入院中で継続実施しているところである。 
(担当看護師―猪又松子) 
<生活介護ケア> 
今回の症例は生活療法が必要な症例である。単独入院2回目となるが、分からないことは、スタッフに聞くことができる。特定の小集団内であれば口数多く接することができる。が、やや距離の近さが気になるところである。相手の気持ち、様子を察することが不得意であり、指摘を受けることも多々ある。良くも悪くも素直といった印象を受ける。 
基本的な日常生活行動(ADL)は自立しているが、入浴や歯磨き、着替えなどの整容、身の回りの整理整頓には声がけが必要である。生活をしていくうちに、年齢が近い患者さんが洗濯をしているのをみて、やってみたいとあり、人生初挑戦中である。 
生活介護ケアの目標として、日課表に合わせて行動できるようになるとした。学校では集団行動の練習をする時期でもある。しかし、現時点では集団内での活動意欲には波がある。勉強や活動内容が嫌なときなど、大きな身体と声で、幼児のように全身で拒否する様子が見られる。こちらの声は耳に入らなくなるところがある。まずは、感情をコントロールし、要求を言葉にしていくこと。苦手なことも繰り返すことで習慣化していくことを期待したい。ここでは、スタッフだけでなく、他の患者さんの力を借りて集団で引っ張っていくことが有効であると考える。それには、日課表通りに、本人が混乱しないようにチームが一貫したケアをことが必要である。 
次に勉強時間とゲーム時間とのメリハリある生活が重要である。自宅生活では、ゲームに依存的な生活であった。入院生活では脱ゲームを理想とするが、すべてがダメでは窮屈で、反発が生まれる。時間を守る。ヴァイオレンスなゲームはしない。をまず実践していくこととした。今後の生活の変化を評価していきたい。最後に、入院生活で様々な人間関係、活動や作業を通して、失敗や成功体験を積むことを望む。褒められる経験をすることで、自信につなげてほしいと思う。これからの人生、生きやすくなる術を身につける機会であってほしいと願う。自宅へ戻ったとき、本人と家族が幸せであるようにチームアプローチしていきたい。 
(介護福祉士―砂金七枝) 
<看護−外来> 
外来経過 
10才時に当院通院再開してから、てんかんの症状は落ち着いていたが、学校に行きたくないという本人を母が車で校門まで連れて行き、数人の先生に抱えられて登校するという日々が続いていた。外来受診の際は胸が痛いなどの身体症状の他、母よりてんかんで暴れて人の物を壊す、ゲーム依存、極端な偏食など行動上の問題に対する相談を受けていた。以前受診していた病院では、精神薬を増量していたが、その効果は実感できない様子であった。 
その一方本人の待合室での様子は、終始ゲーム機を手放すことはなかった。看護師はどうにか心を通わせようと質問するのだが、それに対して目を合わせることはなく、オンラインゲームの相手に「このー!」と急に大声を出したりして、自分はゲームの世界の住人で現実は関係ないような態度であった。 
4月に新学期が始まると更に行動上の問題は激しくなり、モップで自宅のガラスを割ったり、姉を叩いたりという行動がみられ、母より「もう限界です」と言う言葉が聞かれ憔悴した表情が見られた。そこで医師より、「2月にてんかんの発作のような症状があって経過を見ていたが、入院による長時間脳波検査を計画しましょう。母のレスパイトの効果も期待したい。」と話あり。母快諾、本人も表情が明るくなり入院に対して積極的な様子が見られた。当院入院は5才と10才の時に1回ずつ、今回11才で3回目となる。 
(外来看護師-高橋香苗) 
<検査> 
1.画像検査 
頭部MRI検査:頭部MRI及び頭部頸部血管写MRAにも特記なく、MRI血管灌流量検査ASLでも特記なし。頸部MRIも特記なし。 
2.脳波検査 
ベーテル初診時の脳波検査では両側前頭~全汎性に2.5~3Hzの棘徐波複合が見られていた。また、24時間VTR脳波検査中ではベット上でぼんやりする様子や食事中テレビを見ながらぼんやりする様子があり、3Hzの棘徐波複合の出現があった。また睡眠時でも3Hzの棘徐波複合が出現していた。 
その後2年間は、仙台駅前クリニックベーテルでルーチン脳波を行っていたが、覚醒時及び睡眠時共に3Hzの棘徐波複合の出現あり。覚醒時では主に過呼吸賦活中に出現していた。 
昨年2回目の検査入院時の脳波所見では、覚醒時で特記所見なし。睡眠時は前頭に鋭波~鋭徐波複合が見られた。初診時、睡眠時に出現していた3Hzの棘徐波複合の出現は見られていない。今回3回目の入院では、覚醒時に前頭優位に棘徐波複合が数回見られている。睡眠時では特記所見なし。 
 
脳波所見 
発作時脳波:前頭~全汎性に3Hzの棘徐波複合の出現。 
発作間歇時:以前は覚醒時には特記所見はないが、睡眠時では棘徐波複合の出 
現が見られた。最近では覚醒時に前頭優位に棘徐波複合が数回みられ、睡眠時 
では特記所見はない。 
3.神経生理検査 
MLR:特記所見なし。 
VEP:全体的にやや遅い。 
SSEP:左右差なし。 
4.その他 
一般尿/血算 /生化学検査:肝機能数値が高値。 
24時間血圧:やや高め。 
眼振図:異常なし。 
腹部超音波検査:軽度脂肪肝がみられます。 
(検査科―菊池崇大) 
<薬剤> 
3歳:保育園の遠足から帰宅したときに初発。救急搬送されるも、点滴のみで 
帰宅。1か月後:脳波検査を実施しててんかんの診断となりVPA顆粒の 
処方となる。 
5歳:前医よりベーテル紹介となる。VPA顆粒は300mg 
服用中。1か月後:1週間の精査入院。VPA顆粒300mgの血中濃度 
は39.69と低め。小児欠神発作なのでEMS100mgを導入、更にVPA 
を400mgに増量して退院となる。 
7歳:外来にてVPAを440mg、EMSを400mgまで増量更にLTG8mgを 
導入。 
9歳:外来にてVPAを480mg、LTGを24mgに増量しEMSは中止とした 
10歳1か月:外来にてVPAを550mgに増量。1週間後:二度目の入院と 
なる。VPA顆粒550mgの血中濃度は56.92。その後、剤型を錠剤 
に変更しVPA600mg、LTG25mgと調整した。更にLTGを50mg 
に増量して退院とした。 
11歳:三度目の入院となる LTGは75mgとなっていた。食欲旺盛で肥満気 
味であり、ゲーム中毒で学校へも行けなくなっていた。VPA600mgの 
血中濃度17.79と低く怠薬が疑われた。LTG75mgの血中濃度は2.7 
であった。 
若干の知的障害はあるものの、ほとんど学校へ行っていないので、指を使えない二桁の足し算や分数の計算はできない。生活がゲームやネット動画中心になっていて、両親もそれに介入できない傾向がある。おやつは炭酸飲料や果物の缶詰を一度に複数個食べる習慣になっている。生活のリズムの改善が強く求められる症例である。 
 
略語 VPA:バルプロ酸ナトリウム EMS:エトスクシミド LTG:ラモトリギン 血中濃度の単位:㎍/mL 
 
<主治医コメント> 
まず、この方のてんかん病歴ですが、典型的な小児欠神てんかんではありません。初発年齢は3歳2か月と4-7歳あるいは学童期とされる発症年齢よりも早く、非典型的です。また初発発作は、ぐるぐると歩き回る自動症を伴う意識減損発作で、発作中に眼球上転と口唇チアノーゼにも至り、搬送先に到着後まで意識は回復していません。またその1か月後には全般強直発作を起こしています。発症当初、短く(30秒以内)、1日に何度も出現するという小児欠神てんかんでみられる定型欠神発作は目撃されていません。前医で治療が開始されていますが、典型的な全般性3Hz棘徐波複合群発も初期には認められなかったとのことです。VPAでの治療を継続されていましたが、5歳になり、脳波で全般性3Hz棘徐波複合の欠神発作波と、~15秒程度の欠神発作が月単位で出現しました。VPAを増量されましたが、欠神発作が出現し始めてから4か月後、20分ほどの意識減損を伴う脱力発作があり、ベーテルの受診に至ります。ベーテル初診時には典型的な欠神発作と欠神発作波が確認されました。1回目の入院を経て、VPA+ESM+LTGで治療をすすめ、7歳以降、欠神発作は脳波検査での過呼吸賦活時にみられるものの、普段は気がつかれなくなりました。ただし、欠神発作が目立たなくなった半年後から、睡眠中に過呼吸様の呼吸となり反応がないなどの症状がありました。非典型的な経過から、GLUT(グルコーストランスポーター)1欠損症などの鑑別を他院小児科に依頼しました。基礎疾患の存在は否定され、いちどそのまま小児科に通院されて発作も落ち着いていましたが、2年後に再び、椅子からずり落ちる発作が出現し、ベーテルの通院を再開しました。2回目の入院では、以前にみられていた欠神発作・欠神発作波は消失し、てんかん性突発波の出現も稀となっていましたが、3回目の入院では以前よりは短く不規則で形の不明瞭な3Hz棘徐波複合群発または高振幅徐波群発を稀に認めています。頭部画像検査は異常ありません。活発な欠神発作は抑制されていますが、今後の減薬は慎重に判断する必要があります。 
今回の入院のきっかけは、1年ぶりに発作を疑う症状が出現していたことと、この1年で行動面での問題点が表面化し、学校や家庭での対応に困り感が出てきたことです。てんかんを持つ小児には、神経発達症や知的発達症の併存が多いことが知られています。私は、ベーテルへの再通院がはじまってから主治医となりましたが、就学前の1回目入院時の記録から、神経心理検査結果の数値だけではない、当時の様子を知ることができました。現在は乱暴な言葉遣いや態度、ゲームへの依存などが目立っていますが、時系列での変化を追うことが、その背景になるものがあるのかなどを評価する材料となります。また、てんかん病歴と併せて追跡ができました。外来診察では、なかなか本人の思いや困りごとを本人の口から聞きだすことができませんでしたが、ご家族と離れ、普段とは違う環境ではあるものの、病棟で様々な人と関わりながら1日を過ごす入院中の本人の様子を確認できることが大きな情報となります。感染対策の制約はあるものの、ご家族とも時間をとって話を聞く機会を設けることができています。家庭生活の様子や、家族との関係、学習面の評価など詳しく聞き、困りごとのピックアップと、その解決の糸口になりそうな点(環境調整や社会的資源の利用など)を具体的にご家族にフィードバックします。時間はかかりますが、身近な課題をひとつひとつ提示し共有することが、本人・家族の支援につながるものと思います。 
(Drナミ) 
<神経心理> 
この症例は、べーテルを初診した段階から心理検査を実施し、経過を追いかけてきた方であった。当初から知的能力や発達、言語能力の検査を各時期に行ってきたが、そのほとんどが境界域からその下の水準で、認知発達の苦手さ、低さが考えられる。実際の学校生活でも、勉強になかなかついて行けず、学習に対する苦手意識や拒否感も形成されていて、対人関係や家庭生活でもトラブルがあり、適応できない経験が積み重なってしまっているようだった。 
しかし、検査結果の中には、境界域を超える数値が出る時期があったり、苦手で低い結果だったものが急に上昇していたりと、結果自体の不安定さも見られ、その時々の気分や感情、やる気や落ち着きなどにかなり左右されやすい傾向も感じられた。行動的な問題や学校、家庭環境への不適応は、能力的な要因ももちろん考えられるが、それ以外にも、経験してきた事の少なさや失敗を恐れる不安な気持ちがあると考えられ、自己評価の低さに繋がってしまっているようにも感じられた。 
今回の入院では、ご家族の方とお話する機会も多く、家庭での過ごし方や本人への対応、取り巻く環境の悪循環に気づかされる場面がある。本人への支援や関わりと共に、ご家族や周りの環境を整えていくという二つの方向のケアが必要であり、改めて家族のシステムの重要さやその限界、そして一対一だけでない集団でのてんかんケアの関わりが大切だと感じさせられるケースであった。 
(神経心理士―阿部佑磨) 
 
<作業療法・生活> 
3歳でてんかんを発症し、ベーテルに5年通院している10代の小学生です。今回の入院目的は、今年に入り朝起きられずきちんと登校できないことや、本人の行動問題に対する家庭生活での関わりに、家族が限界を感じての入院希望によるものでした。このような問題を抱えての入院でしたので、日常生活は皆と同じようには進みませんでした。 
OTとしての取り組みは、学習面のサポートと、集団での活動への取り組み方、メリハリをつけた生活を送る(ルールを守る)、の3点に重点を置き行いました。 
まず第一に学習面のサポートです。学校がある間は朝のミーティングに参加すること、その後に個別での学習の時間を設けました。「なぜ自分だけ勉強しなければいけないのか」と大きな声を出し拒否する様子も見られました。彼を学習する姿勢に向かわせることに毎日必死になっていました。実際に学習に取り組み始めると集中して行えるのは長くても30分程度でした。一度、彼が「学校では普通にできるんだけど、ここだと何かソワソワして集中できないんだ」とお話してくれたことがあります。さらに、学校では友達の目があるから、騒いだり駄々をこねるような行動はしない、と話していました。ベーテルに居る自分と、学校に通っている自分、うまく使い分けていたのでしょう。また、学力的にも実学年の問題は難しくやりたくないと回避的で、取り組めるのは小学3年生レベルの問題ばかりでした。また、本を一冊読み、感想文を書いてみることも行いました。苦手だと話し、つっかえながらも、数週間かけて何とか一冊読み終えました。スタッフの助言を受けながら取り組み、2行ではありましたが、感想文も書くことが出来ました。その他、OTでは教科書的な学習だけではなく、経験を重ねていくためにも工作や園芸などの、楽しみながら行える活動を行いました。しかし、彼は自分で見通しを立てることが苦手で、工程数の多いものや自由度の高いものは、一人で取り組む事が難しく、途中で投げ出してしまう様子が見られました。彼には時間や作業量などを明確に提示してあげることが必要なのだと分かりました。 
第二に、集団での活動への取り組み方です。入院してすぐの頃は病棟生活に慣れていなかったこともあり、集団内でみんなと一緒に活動に参加することが難しく、少し離れたところで限定された方との空間で取り組んでいました。作業能力的にも出来ることが限られており、皆と同じ作業をすることは難しい様子でした。そのため、関わりとして、まずは出来る事を役割として彼に依頼することにしました。折り紙を等間隔に切る、などの簡単な作業でしたが、彼はとても意欲的に取り組んでくれました。「次は何色?」などと積極的な発言も聞かれるようになりました。その中で、スタッフを通して限定的な関わりから、集団内の他の仲間たちへの交流につながるような働きかけをしました。すると徐々に、自分から集団内での活動に入れるようになり、関わりも増えていきました。OTではレクリエーション活動を好んでおり、とても意欲的に参加してくれていました。しかしグループでのディスカッションなどが出来ず、協業することが難しく、彼一人の作業となることが多くありました。 
第三に、メリハリをつけた生活を送る、です。入院中の様子を見て、短期決戦ではどうにもならないと判断され、学校に戻らず長期休みを利用しての入院期間延長となりました。まずは彼の好きなことであるゲームの時間をしっかりと定める事、それとともに学習の時間も周知し、「やるべきことをやらないと、好きなことはできない」とルールを定めました。すると、やりたくないからやらない、ではなく、目的のためにやるべきことをする、という姿勢に変わったように思います。しかし、この方法でも彼の要求はエスカレートし歯止めがきかず、要求が満たされないことで行動化する様子も見られました。行動問題が少しでも改善できればと薬物治療が展開されました。しかし期待通りに効果を示す様子が見られず、更に薬種を変更して対応しているところです。 
関わりの中で、彼が抱えた問題点のすべてに対して「明確に提示すること」が必要なのだと分かりました。作業や学習に対しては時間や作業量を明確に提示する必要があり、普段の生活では要求に対しての線引きを明確に提示する必要がありました。 
彼には、ベーテルに入院している間、日常における様々な作業や活動に参加し、たくさんの経験をしてもらいたいと考えています。とても好奇心旺盛な彼は、誘導次第で何でも取り組もうとしてくれると思います。その中で、ご家族や私たちスタッフ、本人も気づかなかった新たな発見があると幸いです。そして、彼が、自分の将来を自分で描けるように、まだまだサポートしていきたいと考えています。 
(作業療法士―菅本沙希) 
<栄養> 
症例は12歳、小学6年生男児である。大家族の末っ子として育ち、両親に甘えたい盛りということもあり、入院前の食生活は本人の要望どおり。といった状況であった。幼児の頃に入院した時には肥満ではなかったものの、食生活習慣はかなり乱れており、家族の食事時間に合わせて食べていたため、昼食と夕食の時間が近いということから夕食を摂ることができず、その後お腹がすいてしまいおやつを食べるといったことを幼児のころからしていた。現在は、家族と時間をずらして食べるためそういったことはないが、偏食がちで母も本人に合わせて与えていたという問題点があった。特にジュース類の摂取量・頻度が多く、中性脂肪の上昇もみられたため入院中の食事療法について、多面的アプローチが極めて重要であると考えられた。 
入院後の様子を観察すると、ジュース類・果物の缶詰・お菓子・カップラーメンの持ち込み、差し入れがありそういったものを止めることからはじめる必要があった。生活習慣もゲーム依存症、規則を守れないという状況にあり。本人の状況を変えるには、家族の協力も重要であると考えられた。すべてを一気に変えるのは困難であるため、まずはジュースを飲まないようにする、入院中の食事に慣れていくということからアプローチしていくこととした。 
栄養計画として、入院中にできるようになっても家庭に戻ってからの状況によってまた元通りになってしまう可能性があるため、家族を巻き込んで意識の改革をしていく必要があると考えられる。そのためにも入院中でしっかり実績を作り、その上で入院中のような日課で過ごせるような状態に持っていけるような筋道作りが必要である。入院中に本人の意識が少しでも変わり、今後より良い生活を送っていくことができるように、各科と協力してサポートを続けていく。 
(管理栄養士―勝山祥子) 
<医事> 
仙台駅前クリニックベーテルで初診。一度は病院を離れた経歴あり、再度クリニック受診し、本院では3回目の入院である。今回の入院では限度額認定証と子ども医療費受給者証をおもちで、この方の市町村は18歳高校生まで入院において適用となるようだ。 
専門家として、入院が決まり家族の方に、受給者証のほかに、加入している健康保険から限度額認定証の交付を受け、子ども医療費受給者証と併せて提出するようにご案内している。子ども医療費受給者証に助成される限度があり、高額療養費相当分の自己負担額が生じる場合があると伝え手続きを進めてもらった。この方の市町村は令和4年4月から対象年齢を18歳到達年度末日まで拡大し、医療費制度が改正されている現状があるので随時情報を取得し、CLと本院で統一した情報共有ができるよう努めていきたい。これからの通院と年齢の過程において患者さんにとって一番良い福祉制度のご案内を率先してご案内していきたいと思う。 
(医事科―横山あみ) 
<座長総括> 
今回の症例は、3才発症で5才時にベーテル初診し、2度の精密検査入院を経験し、今回3回目の入院となった11才の少年である。7才から10才の期間、他院にて診療継続されていたが、行動問題が表面化し相談窓口を求め再度ベーテルの診療を希望し、駅前クリニックベーテル受診となっていた。家庭内での療育に限界を感じた母の判断により、現在抱えている問題点を、入院という形態でしっかり確認する目的で、ベーテル入院となっている。 
入院後の彼の生活は、まさしく問題だらけであった。眠気もありスケジュールに合わせて生活が仕組めない、食生活問題、ゲーム依存、学業問題、行動問題と多岐に渡り、通常のナース担当の看護ケアの領域を越え、全職種で支援に当たる必要性があった。最大の難題は、イヤだ、なんでと言い出したら、まるで幼少期の駄々っ子のようにごね始め、全身で長時間に渡り物に当たる行動をとるため、理由を説明しこの行動が鎮まるまで見守りが必要なことであった。 
私共が関わっていない4年の間に抱えてしまった問題の大きさに、初めは手も足も出ず振り回された。その後、作業療法士の力を借りて毎朝の学校とのリモートミーティングに参加させることにしたが、現状では「あたりまえ」の参加状況ではなく手を焼いている始末である。専門性を発揮する処ではなかった。 
毎日毎日、彼中心の行動に振り回され、何処で対処不可能な事態が発生するかわからず、一たび行動問題が発生しようものなら、周囲の患者の皆さま方も巻き込み、我々の多くの看護ケア支援が必要となる。 
入院当初、学業問題への取り組みとして、1冊の絵本を毎日読んでみることにした。真面目に取り組み3-4ページ進むことができる日もあれば、1ページも読むのが嫌だとゴネル日もあった。「何で読まなきゃいけないの」と泣く日もあったが1冊の本を全て読んで感想を書くことを目標に頑張った。 
最終的には、OTの力も借りて2行の感想を書いた。この取り組みに3週間を要している。後にお母さまから「この子は本を読むのが大嫌いなんです」と聞かされた。私は、本の読み聞かせは、お子さまの成長に欠かせないものだと思っている。大人が読み聞かせながら「どうしてだろうね」とか「かわいそうにね」よか「良かったね」と相槌を打ちながら共に本の中で伝えたいことを共感していく作業は、お子さまの心を養い文章能力に繋がっていくと考える。 
彼にも、入院中に皆さんの前で朗読をする機会を作りたいと考えたが、この調子ではそこまでたどり着かないであろう。とにかく、親元を離れ24時間来る日も来る日もベーテルで過ごし、自分の思い通りにならない時間をどう乗り切るか、彼の未知の世界への挑戦に、我々スタッフは振り回されながらも付き合ってみることになる。 

<ケア・イニシアチブとその具体> 
これまでの成長過程に於いての療育担当者は、全面的に母であった。彼の成長に合わせて、学校の担任・スクールカウンセラー、医療機関、県教育委員会、児童相談所等さまざま頼りながら問題の改善に当たってきた経過があった。この間の詳細な事情に通じない我々は、一から、彼をさまざまな視点から行動観察し、又は精密診断作業から評価していくことになった。 
そして、彼をどう取り扱うべきか悩む母の問題点に行き着く。本人は、入院という形態で、一時母の元から離れさまざまな人間関係の中で、これまでに経験したことのない関係性から多くを学んでいくはずである。しかし、退院後の最終的な受け皿である母の悩みを解消するという難題があった。療育の過程で発生する諸問題の解決に詳しい方に相談してみることにした。 
時間を割いて指導を受けることができたが、その内容は、今が今の問題解決に留まらず、将来を見据えた地域ぐるみの支援体制に乗せていく必要性が語られた。私の想像をはるかに超えた社会資源の活用であった。改めて、子どもを育てるという意味の大きさを実感したところである。 
母がこれまで相談してきた機関の対応では、不十分であることは明白な事実であり、次の一手を、私たちが構築していくことが必要であるということである。入院で知り得た彼の問題を、私たちと同じ視点でご家族にも共通の理解としてもらう必要があった。しかし、このコロナ問題により面会制限が加わり、リモートでの対応となり、この作業を思うように進められなかった。母や家族が抱えている問題などに踏み込むには、更に時間が必要と判断された。 
今後の課題を整理してみると、まずは学級担任からの詳細な情報交換に努めること。進学問題についての方針決定作業に参加する。療育に父の積極的参加を求めていくとなる。 
行動問題は、彼自身を苦しめている。自分ではどうしようもないのである。医療的に、彼が抱えた行動問題への治療を進めることで、関わる皆さまに愛される存在となれれば幸いなことである。地域資源の活用は、その後に必要とされる状況を判断していくこととする。 
(海野美千代) 
 
 
 

2023、4,17

Tulpenチューリップ祭り開催

 

春4月ベーテル花壇を可愛らしく華やかに彩ったのは、4000球のチューリップ。入院病棟のベランダにも、それはそれは美しいさまざまな品種のチューリップが咲き誇り、今年も闘病する仲間たちの目を楽しませてくれた。

毎年ベーテルのクリスマスパーティーにお招き受けた皆さまは、Drソガよりお一人お一人にアリッサムやビオラで覆った原種系チューリップが数個埋め込まれた鉢がプレゼントされる。寒い冬を乗り越え、柔らかな日差しを浴びて芽を出しやがて可愛らしく咲き誇る素敵なプレゼントである。皆さまのお手元で愛でていただいていたら幸い。

Drソガは、若き日にオランダのメーランボスで暮らした経験を持つ。この後1992年ベーテル開設以来30年間チューリップを咲かせ続けてきた。ある時は原種チューリップ一色に飾ってみたり、またある時は花時計やベーテルマークにアレンジしてみたりと、その年ごとに球根の配置を考えながら色合いや構図を楽しんできたものである。

通常は5月の連休に楽しむ花々であったが、今年は春の訪れが早すぎて、少し肌寒いTulpenの開催となった。入院中の患者の皆さまと、COVID‐19災禍ながらも久々の戸外活動は、空を見上げ風を感じながら生き生きとした時間となった。

ひとしきり咲き誇り、美しい時を終えた花々は、先端を切り落とし今度は球根を育てる時期となる。その後掘り起し、ばい菌に汚染されないよう処理し、乾燥させ、今年の秋遅くに、また花壇に入り、あたたかい土の下で、花開く時をじっと待つことになる。また来年、Tulpen祭りで会える日を楽しみに。

 

 

2023/03/23

春四月

ねむの木を植えました

 

3月23日、ベーテルの裏山に「ねむの木」を植樹しました。昨年、種を蒔いて育てたもので30cmほどに育ちました。育てば大木になる木です。どうしてねむの木かですが、分かりやすくは1968年に宮城まり子さんが創設したあの学園のお名前の樹が穏やかだからで、また美智子上皇后の若き日にもちなみます。

ねむの木は野の花たちが夏枯れとなる季節、樹姿全体に花が咲いてきます。二本用意しました。大きく育てば圧倒的で、一本は外来の患者さんを駐車場で歓迎し、一本は入院中の患者さんを二階のホールから丁度目の高さで語りかけます。なお、冬には落葉します。紅葉はしません。

3月23日、宮城まり子さんの命日に、寄る辺ないベーテルに新しい木を植えました。育ちますように。

もう一つの木は秘密です。なぜ、秘密でしょうね。

(笠松初枝、海野美千代、有賀穣、Drソガ)

 

 

 

重心動揺測定装置SGCのヴァージョンアップ 

2023/03/29 

小島奈穂美 

 

みなさん、外来採血室に、新車が入りましたよ。新車のその名は、重心動揺計です。3月27日から、お目見えです。ピカピカです。みなさま、新しい台にお乗りくださり、お試し下さい。リラックスしながら、そっと、ソオッとマブタを閉じて下さいね。もちろん、目をつむれない方は背筋を伸ばして格好良く、まっすぐ前を向いてお立ち下さい。そして、そのままでいて下さいね。キョロキョロすると検査になりませんよ。 

 重心動揺計はSGCと言います。英語では、Sway of Gravity Centerと呼びます。Drソガはこの機械が大好きです。何と言っても、お飲みのお薬のために重心が揺れるかどうかが分かるのです。皆さまにお渡しする検査結果も、前よりも大分分かりやすくなったと思います。お薬によって、そしてお薬の血中濃度次第では重心がとても揺れる(動揺)ようになっていることが分かるのです。 

Drソガは東京の武蔵時代(NCNP)からこの機械に惚れ込んでいて、血中濃度測定値とペアにしています。結果が余りにも鋭敏で血中濃度に相関します。お薬の毒調べと言っていいよ、とも仰います。 

 少し解説しますね。人は二本脚です。四つ足と比べて、身体の重心が微妙です。ヒトの重心は、棒のようには立っていません。わずかに「やらぎ」ながら、いつも中心を巡るように、揺らいでいます。この「ゆらぎ」が私たちが立って、そして歩いて、走って、跳んで、倒れない理由なのです。てんかんのお薬は神経細胞に作用しますから、特に眠気があれば、またふらふらすれば,重心動揺は大変なことになります。お気の毒にも小脳失調の場合は、ユラユラして足下がおぼつかなくなります。 

 長時間脳波検査をしながら、重心動揺検査中にひどく揺れた場合には、発作時脳波が出ているかもしれませんね。両者を同期させ、それなりの時間も検査できると、たとえば欠神発作の場合のように特徴的なSGC曲線が得られるはずです。 

 さあ、みなさんも新車にお乗り下さいね。私たちが安全に、つまり検査中に倒れてしまったりしないように、しっかりとお見守りさせていただきますね。 (了) 

 

2023年3月10日 

 

ルーチン脳波検査120000件に到達 

 

 

 本日2023年3月10日、てんかん専門病院ベーテル開設以来30年間に渡りとり続けてきたルーチン脳波検査総数が、12万件に到達致しました。41床のてんかん病棟を有し、365日ルーチン脳波をとり続けてきた私たち臨床検査技師にとって、12万件という数字は途轍もなく誇らしく、専門家としても喜ばしい日となりました。検査の度に、私ども検査技師と共に闘い続けている患者の皆さま方に心からの感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。 

 今回12万件目の脳波検査となった方は、てんかん発作が起きる度に転倒を伴う方でした。Drソガの薬物治療により、ここ3か月間発作の完全抑制をみて笑顔を取り戻している女性です。19万9999番の方は、発作を完全に止めて再就職したいと願い闘病する女性でした。そして、12万1000番の方は、一度は完治したはずのてんかん発作の再発により、精密診断作業と薬物治療目的で入院している男性でした。 

 私共検査科一同は、今後も皆さま方からのご支援、ご助言をいただきながら、更により良い検査サーヴィスを提供できるよう精進していく所存ですので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。 

                                                                                                             検査科科長 原田早苗 

 

3、11 2011―2023 ベーテル 

「てんかん市民の誓い・こづみ郁子コーラスライン」 

3月10日ベーテル3階体育館から発信 

 

2011年3月11日16時48分に発生した、岩手・宮城・福島太平洋沿岸大震災なる大天災、ならびに併発した大人災、福島原発のメルトダウンの放射能大災害から12年の月日が流れました。 

 私たちは、この災害でベーテル通院中の患者さん十数名を失いました。この時から毎年、亡くなられた方々を偲び、深い哀悼の意を表しながら黙祷を捧げ、てんかん市民としての誓いを確認し合ってきました。本日は、盟友ハンス・バーガー協会と仙台駅前クリニックベーテルをリモートで繋ぎ、てんかんの仲間たち30名が献花を行い、大震災を振り返る時間となりました。当時、被災地の現場で直接恐怖体験した3名の仲間の報告と共に、ベーテルの現状報告がなされ、大震災に備えた薬の管理に対する教訓が示されました。 

Drソガからは、近時数ヶ月の震災関連の新聞記事のスクラップ集を整理しながら、3、11は風化と共に今や原発問題へと移り変わっていること、原発再稼働の動きに変化しつつある現状が報告されました。そして、原発により被災した方々の苦しみを垣間見ている私たちは、決して安易な原発再稼働を許してはならないことを確認し合いました。 

最後は、こづみ郁子先生のピアノの調べに合わせて梅森智美先生の美しい歌声に癒され、全員で365日の紙飛行機を歌い上げました。自由に大空を飛び回る紙飛行機に乗せて、私たちの願いが届きますようにと祈ります。 

                                    海野美千代 

2023/02/24

国際てんかん協会IBEからのメール
国際てんかんデイIED-2023


 毎年二月の第二月曜日、今年は2月13日に第9回目となる国際てんかんデイが開催されました。呼応していち早く、私どもは2月3日に仙台てんかん市民会議を開催し、2月13日には#EpilepsyDayに幾つも発信しました。締め切りはありませんので(と言えばウソになりますが、少なくもIED-2023の最終報告書の原稿が締め切られるまでは)、みなさまも#EpilepsyDayにメッセジをお送り続けください。なお、IBEのウェッブサイトには、世界のどこからIEDへのメッセジが送信されたかが分かるように世界地図にマーカーが示しています。この時点で日本から二つあり、一つはもちろんベーテルのものです。
 2月13日には国際てんかん協会IBEからメッセジが送られてきています。なお、ベーテルはIBEのAssociate memberであり、多くが転載を許可されています
 発信元はIBEの広報局長Marie Ennis O’Connorさんです。なお、正式職名はhead of communicationsとあります。昔はpublic relations(PR)という名が普通でしたから、大企業の関連部門もcommunicationsとなっているのも時代かなと思います。何と訳しますか、適語は日本語にはないですね。IBEはコミュニケイトしますと。メール挨拶の部分を和訳します。
 なお、メールの第2項の国際てんかん学会ILAE-国際てんかん協会IBEからの国際てんかんデイIED 2023への共同声明の和訳をお伝えします。

メール内容項目
1 発信人挨拶
 親愛なる友人のみなさま、同志のみなさまへ
 本日、私たちは国際てんかんデイIEDをお祝いします。この一日、てんかんに関する理解を広め、この病気の方々を私たちがサポートするために一緒に集まりましょう。
 あなたが世界のどこにいるかによって、既にこの日を既にお祝いしてしまっているかもしれないし、いま丁度はじめたところであるかもしれません。あなたが世界のどこに居ろうと#EpilepsyDayはこの一日だけではありません。私たちは啓蒙しつづけなければならないし、てんかんを有する人々のニーズを擁護しなければなりませんので、今日一日限りのことではなく、毎日のこととなります。
 私個人の関わりでは、国際てんかん協会IBEの国際てんかんデイIEDキャンペーンは私にとって最初の仕事となったものですが、疑私には挑戦となりました。あなたの支援があってのことです。ご一緒にやりとげてきたことを誇りに思います。このお仕事の一助になれていることを誇りに思います。てんかんを有する方々にとって世界によりよい変化をもたらし創りだすため、ご一緒に働いてまいります。
2 ILAE/IBE国際てんかん学会/国際てんかん協会合同声明(次稿)
3 IBE会長 ヴィデオメッセジ
(Dr. Francesca Sofia)
4 IBEはOneNeurology Partnershipに加盟(後日の機会に)
 (IBEのCEOとして、Donna Walsh担当)
5 偏見を克服する:権利擁護の声(和訳―略)
6 ヴァーチュアル芸術展覧会(和訳―略)
7 達成ステップ歩数報告(和訳―略)
※補注1:IEDは50 million walk stepsを目標標語として、全世界の人々がキャンペーン期間を一歩一歩数えて集計しています。
※補注2:50 millionとは全世界でのてんかんの患者数です
(この稿、了:Drソガ)

 

2023/02/28 

国際てんかん学会ILAE
−国際てんかん協会IBE 

IED 国際てんかんデイIX-2023の共同声明 

 

ステップアップ −偏見解消に向けて呼びかけ− 

世界中どこでもてんかんを有する人々の生活を改善 

 

・2023年2月13日−国際てんかんデイの本日、国際てんかん学会ILAE、そして国際てんかん協会IBEは世界中のてんかんを有する人々が直面する偏見と差別に対しより深い理解を求め、部門間intersectoralの行動計画を呼びかける。 

・“世界には5000万人以上のてんかんを有する人々がいる”と国際てんかん協会IBE会長Francesca Sofia博士は言う。“病気それ自体のためよりもてんかんにまとわりついた偏見のために生きていくのが大変むずかしいことが多い”とも言う。 

・“偏見はてんかんへの不安や誤解によって焚きつけられるため、家庭内、地域、学校、医療、職場内で起きることは一通りではなく、さまざまだ。そのため、必要な支援すら求めようとしない人すらいる。結果として、てんかんを有する人々は精神的安寧を失い、総じてよりよい生活の質を高めようとする意欲までを失い、生計を立てられなくなることがある”と彼女は結論する。 

・偏見と差別を改善させるには、世界保健機構WHOの「てんかんと神経疾患に関する部門間グローバルアクションIGAP」が、目標達成の鍵の一つとなる。2022年5月、IGAPは世界保健機構WHO理事会で194ヶ国の協定を得た。 

・“この病気を有する人々やその家族と地域にとって、てんかんは、その個人、医療体制、そして経済的な、そして社会生活での重大な悲惨となっており、てんかんへの社会的対策は包含的で、包括的で、約束されたもの以下であってはならない”と、世界保健機構WHOの「精神保健・物質使用」部長Devote Kestel博士は述べている。 

・IGAPに協定した8割を超える国々は、てんかんを有する人々の権利を促進し遵守させる法律を既に作成したか改訂作業を進めている。勧告によれば各国は2031年までに見直し作業を完成させる。 

・偏見を軽減し差別法律を改正する作業に関わる政府、NGO、地域を変えていくための実際の方策については、世界保健機構WHOが2022年12月に発布した「てんかんを有する人々の生活を改善する:その技術的手段」Improving the Lives of People with Epilepsy: A Technological Brief を参考にしていただきたい。 

・国際てんかん協会IBEはアフリカ地域における事例差別に関する詳細な情報を収集し分析した。なお、アフリカ以外の地域でも調査が進んでいる。国際てんかん協会IBEが作成した「アフリカのてんかん偏見を解消するための権利擁護ツールキット」は、政策メイカー(いい言葉ですね)や権利擁護活動にとって実践用に法制と対策を変えるための情報源となる。 

・“世界のどの国でも、てんかんの事実は誤解されている。てんかんは治せる病気で、てんかんを有する人々は生活をフルに生き切ることができる”と、ILAE理事長のHelen Cross教授は言う。“国際てんかんデイIEDは、どなたも相集えるし、偏見と差別には抗議できるし、てんかんのせいで生活が制限されている人がいなくなり、てんかんを取り巻く危害ある神話はもはや存在しない世界を打ち立てていきたい。” 

 ※※※ 了 (Drソガ第一次訳) 

 

参考資料 

1 World Health Organization.Draft International Global Action Plan on epilepsy and Other Neurological disorders 2022-2031. Geneva; 2022. 

2 World Health Organization. Improving the Lives of with Epilepsy: A Technological Brief. Genva; 2022 

3 International Bureau for Epilepsy. Advocate’s Toolkit for Reducing Epilepsy Stigma in Africa.; 2022. 

 

SCAPE-Ⅴ 仙台てんかん市民会議2023は、感染対策として、当日全ての参加者、ホテル従業員、関係業者さんに、抗原検査を行い、開催いたしました。
なお、開催後二日目となる月曜日にも抗原検査を実施、すべての関係者の陰性を確認しております。

2023.02.04


5回目ワクチン接種4週後の抗体価測定結果

2023年1月27日 


 

 

 新型コロナウイルスは第8波の勢いも衰えず、2023年、新しい年を迎えました。 

私共も、年末年始の人の動や感染状況からみて、危機管理対策をこうじ、年末年始休暇に入りました。万が一院内で新型コロナウイルス感染が発生したことを想定し、感染対策を強化しました。幸い、院内での発生もなく無事に過ごすことができました。 

 ベーテルスタッフの第5回目の、新型コロナウイルスワクチン接種から4週が過ぎ、今回4週後の抗体価測定を行いました。採血期間は、12月26日~1月10日、対象人数は、50名でした。 

 前回の5回目ワクチン接種直前の抗体価の平均値は、77.3UA/㎖でした。4週後の抗体価の平均値は、192.3UA/㎖となり、50名全員が陽性を示し、抗体価が上昇していました。 

 ですが、抗体価が上昇しているからといって、安心は全くできません。先日、熱はなく鼻閉の症状があり、念のため抗原検査を行いました。陽性の判定でした。グループホームを利用している患者さんで、考えられる感染経路は職員ではないかとなり、速やかに全職員と利用者さんの抗原検査を行ったところ、2名の職員がコロナウイルスに感染していることが判明したケースがありました。その方々は無症状でした。その職員はどこから感染し、いつ感染したか全く分からないというケースを経験しました。 

 いまだ幸いにも、職員が感染源となったケースはありませんが、同居している家族と、生活サイクルが違う家族状況でも、みるみると家族全員が陽性となったケースは2件経験しました。確実にベーテルへも、新型コロナウイルス感染症が近づきつつあると感じています。 

今回のワクチンは、オミクロン株BA4、BA5に対応したワクチンです。流行を抑えることを目的とされていますので、ワクチン接種が進み効果を期待するしかありません。一日でも早く、この、だれが、いつどこかで感染するか分からない状況がなくなることを願うばかりです。 

現時点では、第6回目のコロナワクチン接種の動きは不明です。今後新型コロナウイルス感染症対策についても、大きく変わるという報道もあります。ですが、現時点での感染対策は毎日確実に継続していくこと、引き続き厳しく、ベーテルに持ち込まないを合言葉に皆で、協力をしていきたいと思います。 

 

 

                                                                                                  2023年1月16日 小島奈穂美 




大晦日の河北新報に
「てんかんの天使たち」第3弾出版記事が掲載されました 

 

2023年1月4日 


2022年12月1日「てんかんの天使たち~誰も知らないてんかんのはなしⅢ」を発刊致しました。この本は、医学書ではありません。てんかんと闘い、共に生きるてんかん市民であればどなたでも、子供さんも大人も、親も、医師も、看護師も、学校の先生も、弁護士さんも、議員さんも、支援員さんも、とみんなが心一つにして書いた、実際の体験に基づくてんかんの教科書です。多くの皆さま方の目に止まり、てんかんを患う皆さま方が、少しでも生きやすい社会になりますようにとの願いを込めて制作されました。 

 この度、この本の紹介記事が何と大晦日の河北新報12面「みやぎ」に掲載されました。それも何と中央にド~ンと配置されているではありませんか。取材していただきました記者様に感謝の一言しかありません。きっとたくさんの方々の目に止まったに違いありません。ありがとうございました。 

 

1992年11月、日本で初めて民間のてんかん専門病院ベーテルが開設され、ベーテルを拠点としてカーレ仙台は独自の社会啓蒙活動を展開してまいりました。その一つが「かなりあがうたう」という闘病体験の記録集の5年ごとの発刊です。5集目からは、ベーテル舎が一般書籍として発行しはじめました。今回は第7集目「てんかんの天使たちⅢ」となります。この本を開いて、1編、気になるページに目を通してみてください。目から鱗の大脳の病気てんかんの真実の姿を知ることができるはずです。是非ご一読を賜わりたく存じます。 

なお、天使たちⅠ、天使たちⅡの河北新報社の記事も合わせてご覧ください。 

                                                                                                                    <海野美千代> 

 

 

 





河北新報 2022.12.30 記事

河北新報 2018.07.29 東北の本棚

河北新報 2013.04.29 東北の本棚

COVID-19 感染対策―ベーテル第5報


 

2022年12月9日 

 

COVID-19 感染対策―ベーテル第5報 

新型コロナウイルスCOVID-19 第8波を経過中 

 

2022年12月9日時点で、COVID-19災禍と当ベーテルの感染対策の経過をお伝えします。前回4月に第4報を出してから半年以上の時がたってしまいました。この間、7月に入り感染者が増回し第7波を経験し、そして、今また第8波に突入している現状です。この状況にありながら、非常に幸いなことに、当ベーテルの入院患者にCOVID-19感染者は、お一人も出ておりません。単なる幸運でありながら、ベーテル感染対策は機能継続していると言えます。 

スタッフの感染対策に関しては、徹底した水際対策が功を奏しているということになりましょう。 

<感染状況> 

2022年1月、オミクロン株の急拡大による新たな感染拡大が始まり、過去最大の新規陽性者が報告される事態となりました。第6波です。まん延防止措置の適用により3月末でようやく解除となりました。 

 その後、7月にはオミクロン株BA.5により第7波に突入し、7月27日から8月17日まで4週連続で、日本が新規感染者数で世界最多になりました。 

コロナウイルス感染拡大の出口が見通せないまま、11月以降の新規感染者数は東日本で増加傾向となっており、第8波に入りつつあると判断された。北海道では、11月16日には1万1112人となり、既に第7波を超えて過去最多となった。 

<ワクチン接種> 

2022年9月6日から5歳‐11歳の小児へのワクチン接種が承認され、10月には生後6か月‐4歳のワクチン接種が承認されました。 

ベーテルスタッツフは、第7波の爆発に合わせるように、2022年7月8日から4回目のワクチン接種が開始されました。接種前のおよそ7月後と接種後一月後にスタッフの抗体検査を実施しました。この結果は、当ホームページで「ベーテルスタッフにおけるCOVID-19 ワクチン(ファイザー)第4回接種一月後抗体値結果速報」との報告としましたので、ご参照ください。 

そして、今回11月28日から順次5回目のワクチン接種が開始されました。前回同様に一月後に抗体検査を実施する予定です。結果につきましては、ベーテルのホームページ上に掲載予定としております。 

 

<ベーテルのコロナウイルス感染症対策> 

一個病棟のみで運営されているてんかん病棟を、新型コロナウイルス感染症から守るべく、ベーテルは常に危機感も持ち粛々と感染対策を実行してきました。昨年のCo₂センサー導入により、CO2濃度が数値で見えるため、これまでの厳格な定時換気に加えて、急かされるように換気に努める習慣ができてきました。外来診療に於いては、ワクチン接種の強化や行動制限緩和により、身近にコロナ感染者が発生しているに関わらず受診するケースや、発熱しているのに事前連絡なく受診するケースが散見され、問診票の改定と聞き取りの強化を図りました。 

しかしながら経済優先の対策や個人情報保護なる理由により、感染状況や感染経路情報を把握することができなくなりました。当事者家族にも知らされないのが現実です。少ないながらも情報があれば、何かしらの事前の感染対策が取れるはずですが、突然の発熱や咳などの症状出現により、受診したらコロナ陽性の報告が舞い込み、日々翻弄され続ける日々となっています。 

今後、インフルエンザ同時流行も懸念されています。年末年始に向け忘年会や帰省など含め、社会活動や経済活動が盛んになり、人と人との接触の機会が増えることも流行規模に影響してくると考えられます。ベーテルは、既に新型コロナウイルスと季節性インフルエンザを同時に検査できるキットを準備しました。とにかく、これまで実施してきた感染対策を粛々と実行していくのみです。 

<1年ぶりに新型コロナ対策用の医療物資支給となる> 

2022年12月1日、感染対策の支給に関するお知らせが届いた。1か月の使用量の4か月分を支給するという内容であった。ベーテルは、マスクとグローブの支給希望を送信した。順次国より配布予定となるとのことである。有効に活用させていただくことになる。 

<新型コロナウイルスCOVID-19 感染予防策の具体的経過> 

 てんかん専門病院ベーテル、駅前クリニックベーテル、そしてハンス・バーガーHBA協会における、2022年3月31日までの前回報告に続いて、その後のCOVID-19 感染予防対策の経過を書き留めておきます。 

 

4月 4日 HBAスタッフ職場でコロナ発生 

 (HK 退院延期で待機とした) 

 ベーテルスタッフ家族の児童クラブでコロナ発生 

 (SK子供部熱のためPCR検査、SK抗原検査) 

4月 5日 ベーテルスタッフ家族の病院でコロナ発生 

 (EM抗原検査) 

4月 9日 HBA利用者の職場でコロナ発生 

 (KK抗原検査 自宅待機) 

 4月11日 HBAスタッフ 利用者全員抗原検査 

 4月16日 ベーテルスタッフの家族2週間の東京研修より帰宅 

 (YI抗原検査) 

 4月16日 NBAスタッツフの家族の学校でコロナ発生 

 (HBAスタッフ全員抗原検査) 

 ベーテルスタッフの家族の学校でコロナ発生 

 (MA家族抗原検査) 

 4月18日 ベーテルスタッフ家族の職場でコロナ発生 

 (HK抗原検査) 

 ベーテルスタッフ家族の保育園でコロナ発生 

 (NA家族抗原検査) 

 4月21日 ベーテルスタッフの家族の職場でコロナ発生 

 (MN抗原検査) 

 日清医療食品スタッフの家族の学校でコロナ発生 

 (MS家族抗原検査 日清医療食品スタッフ全員抗原検査) 

4月22日 ベーテル入院患者全員、スタッフ全員抗原検査 

ベーテルスタッフ家族の学校でコロナ発生 

 (HK抗原検査) 

4月23日 ベーテルスタッフの家族の学校でコロナ発生 

 (MA抗原検査) 

HBAスタッフ家族の学校でコロナ発生 

 (HC抗原検査) 

4月25日 ベーテルスタッフの家族の学校でコロナ発生 

 (MA YM抗原検査) 

5月 6日 GW明け、ベーテルスタッフ全員抗原検査 

HBAスタッフ、利用者全員抗原検査 

5月12日 ベーテルスタッフの家族の学校、保育所でコロナ発生 

 (NA抗原検査) 

5月14日 HBAスタッフ家族にコロナ発生 

MSコロナ発生家族は保健所の指示に従い対応 

 作業所リーチェ閉鎖、利用者は全員グループホーム待機 

5月16日 MS家族1名コロナ陽性確認 

HBAスタッフ、利用者全員抗原検査 

 ベーテルスタッフの家族の学校でコロナ発生 

 (SK抗原検査) 

 ベーテルスタッフの家族の保育園でコロナ発生 

 (MU抗原検査) 

5月17日 日清医療食品スタッフの家族の学校でコロナ発生 

 (MS家族抗原検査・日清医療食品スタッフ全員抗原検査) 

5月20日 ベーテルスタッフの家族の学校でコロナ発生 

 (MA家族抗原検査) 

6月 2日 ベーテルスタッフの家族の保育園でコロナ発生 

 (MN抗原検査) 

6月 6日 HBAスタッフコロナ陽性確認 

HBA利用者・スタッフ全員抗原検査 自宅待機 

 ベーテルスタッフ・入院患者全員抗原検査 

7月 9日 ベーテルスタッフ家族の職場でコロナ発生 

 (MN抗原検査) 

 7月12日 ベーテルスタッフ家族の学校でコロナ発生 

 (HK抗原検査) 

 7月16日 HBAスタッフ家族コロナ発生 

MKコロナ発生家族は保健所の指示に従い対応 

MK抗原検査 

 7月19日 HBAスタッフ家族にコロナ発生 

HCコロナ発生家族は保健所の指示に従い対応 

HBA利用者・スタッフ全員抗原検査 

HBA利用者家族にコロナ発生(葬儀のため帰省中) 

YNコロナ発生家族は保健所の指示に従い対応 

 7月20日 ベーテルスタッフの家族の職場でコロナ発生 

 (MN抗原検査) 

7月22日 ベーテルスタッフの家族の保育園でコロナ発生 

 (MN家族抗原検査) 

7月22日 ベーテルスタッフの家族がコロナ発生 

 (NI自宅待機・ベーテルスタッフ・入院患者・HBA 

全員抗原検査) 

7月24日 ベーテルスタッフの家族の保育園でコロナ発生 

 (NA家族抗原検査) 

7月25日 ベーテルスタッフの家族の小学校でコロナ発生 

 (NA抗原検査) 

7月26日 ベーテルスタッフコロナ陽性確認 

 (NA自宅待機) 

7月27日 ベーテルスタッフの家族の保育園でコロナ発生 

 (AK親子抗原検査) 

7月28日 HBA利用者の職場でコロナ発生 

 (GH同居者・HBA関係スタッフ・ベーテル関係スタッフ 

 抗原検査) 

 ベーテルスタッフの家族コロナ発生 

 (HSPCR検査) 

7月29日 ベーテルスタッフの家族の保育園でコロナ発生 

 (AK親子抗原検査) 

8月 2日 ベーテルスタッフの家族発熱あり抗原検査 

 (YA抗原検査) 

 8月 5日 ベーテルスタッフの家族の保育園でコロナ発生 

 (SS抗原検査) 

 8月 6日 ベーテルスタッフの家族の職場でコロナ発生 

 (AK親子抗原検査) 

 ベーテルスタッフの家族の児童センターでコロナ発生 

 (SK抗原検査) 

 8月 7日 ベーテルスタッフの家族の保育園でコロナ発生 

 (SS抗原検査) 

 8月 8日 HBAスタッフ発熱あり (KSPCR検査) 

HBAスタッフ家族発熱あり(KW家族PCR検査) 

 8月 16日 ベーテル、HBAスタッフ全員抗原検査(夏季休暇明け) 

8月18日 ベーテルスタッフの家族コロナ発生 

 (CF家族PCR検査・家族抗原検査) 

8月22日 ベーテルスタッフの家族コロナ発生 

 (CF家族PCR検査) 

8月22日 ベーテルスタッフの家族の職場でコロナ発生 

 (MN自宅待機) 

8月23日 ベーテルスタッフの家族の職場でコロナ発生 

 (TK抗原検査) 

8月23日 ベーテルスタッフコロナ発生 

 (CFPCR検査 自宅待機) 

8月24日 ベーテル入院患者の家族にコロナ発生 

 (HS入院時に接触したスタッフ全員抗原検査) 

8月25日 ベーテルスタッフ家族の学校でコロナ陽性 

 (HK自宅待機 抗原検査) 

8月26日 HBAスタッフコロナ発生 

 (NT抗原検査、PCR検査 自宅待機 HBA全員抗原検査) 

ベーテルスタッフ家族にコロナ発生 

(NI家族PCR検査 自宅待機) 

日清医療食品スタッフ家族施設でコロナ発生 

(ES家族PCR検査 自宅待機 本人抗原検査) 

8月30日 ベーテルスタッフ全員抗原検査 

8月31日 HBAスタッフコロナ発生 

 ((YKPCR検査 自宅待機) 

9月 1日 HBA全員抗原検査 

9月 2日 HBA全員抗原検査 

9月 6日 HBAスタッフ家族コロナ発生 

 (SD家族PCR検査 自宅待機 HBA全員抗原検査) 

 9月10日 ベーテルスタッフ家族の保育園でコロナ発生 

 (SS家族抗原検査 自宅待機 関係スタッフ抗原検査) 

9月19日 ベーテルスタッフ家族の職場でコロナ発生 

 (AK家族抗原検査) 

9月24日 ベーテルスタッフ家族の保育園でコロナ発生 

 (YAお子さんコロナ陽性 26日YA夫婦発熱みなし陽性判断 

 抗原検査で陽性判明) 

9月26日 ベーテルスタッフ全員抗原検査 

9月28日 ベーテルスタッツフ家族の保育園でコロナ発生 

 (MU家族抗原検査 自宅待機) 

 ベーテルスタッフ家族の職場でコロナ発生 

 (TK抗原検査) 

9月29日 ベーテルスタッフ家族の保育園でコロナ発生 

 (MN抗原検査) 

10月 4日 ベーテルスタッフ家族の保育園でコロナ発生 

 (MN家族抗原検査) 

10月12日 ベーテルスタッフ家族コロナ発生 

 (SS家族PCR検査 ホテル療養 他抗原検査実施 自宅待機) 

10月13日 ベーテルスタッフ一部抗原検査 

10月27日 HBA家族コロナ発生 

 (HH家族PCR検査 他抗原検査 自宅待機) 

10月28日 HBA全員抗原検査 

11月 2日 HBAスタッフの家族コロナ発生 

 (KY家族PCR検査 他抗原検査) 

11月 3日 HBAスタッフ全員抗原検査 

11月 4日 ベーテルスタッフ家族コロナ発生 

 (HK家族PCR検査 ホテル療養 他抗原検査 自宅待機) 

11月 7日 ベーテルスタッフ家族の学校でコロナ発生 

 (MA家族抗原検査) 

11月 9日 ベーテルスタッフ家族の保育園でコロナ発生 

 (SK家族抗原検査) 

11月10日 ベーテルスタッフ家族コロナ発生 

 (MA家族PCR検査 他抗原検査 自宅待機) 

11月11日 HBA利用者職場でコロナ発生 

 (KK抗原検査) 

11月14日 ベーテルスタッフ家族の職場でコロナ発生 

 (MN自宅待機) 

11月16日 ベーテルスタッフ家族の小学校でコロナ発生 

 (SK親子抗原検査) 

11月22日 ベーテルスタッフ家族コロナ陽性 

 (SS抗原検査 自宅待機) 

11月25日 HBA利用者家族にコロナ発生 

 (TI家族抗原検査 隔離待機) 

11月30日 ベーテルスタッフの家族コロナ濃厚接触者となる 

 (KK抗原検査 家族PCR検査) 

12月  2日 HBAスタッフ家族にコロナ発生 

 (NC家族自宅待機) 

12月  5日 ベーテルスタッフの家族にコロナ発生 

 (AK家族抗原検査 自宅待機) 

 (TK家族抗原検査 自宅待機) 

 ベーテルスタッフの家族コロナ濃厚接触者となる 

 (MN家族抗原検査 自宅待機) 

12月 8日 HBAスタッフ家族にコロナ発生 

 (KI家族抗原検査 自宅待機) 


なお、ベーテルでは入院患者さん、新患患者さんはお付き添いを含めて、漏れなく全員、抗原検査を実施しております。 

 

第1報:2021年5月1日 

第2報:2021年7月20日 

第3報:2021年8月31日 

第4報:2022年4月27日 

                                                                                                                       海野美千代 

 

5回目ワクチン直前抗体価測定

新型コロナウイルス、第8波の真っ只中、ベーテルスタッフは、11月28日〜12月12日に、第5回目の新型コロナワクチンの接種を行いました。今回も、今まで行ってきたように、ワクチン接種直前の抗体価の測定を行いました。今回対象となった職員は、49名になります。 

4回目のコロナワクチン接種は、2022年7月8日~7月23日に行い、ワクチン接種から約5か月経過しています。4回目ワクチン接種後の抗体値の平均は、136.8UA/㎖でした。今回4回目のワクチンから5か月経過した時点での、平均値は77.3UA/㎖でした。陽性率も100%でどの方も、陽性を保てていることとなります。知られていますように、抗体値はワクチン接種後3週後をピークとし、その後低下していくとされています。その通りの結果となっています。 

また、4回目ワクチン後4週目経過の抗体値から、49名中46人は抗体価が低下し、3名は抗体価が上昇していました。抗体価が上昇した職員は、COVD19への感染した経過がありましたので、その影響を受けているのではないかと思われます。 

また、今回5回目のワクチンは、オミクロン株BA4、BA5に対応した二価ワクチンとなっております。今までのmRNAワクチンは、重症化予防効果があるとされており、今回のワクチンは流行を抑えることが期待されています。国が示している感染対策の方針は、年内にすべての国民が、このオミクロン株に対応したワクチンの接種を目指しており、ワクチンの接種期間も、2回目ワクチンを終えている方で3か月の期間が空けば、接種可能とすると、変わっています。 


ベーテルの感染対策は、とにかく院内に持ち込まないを目標にし、徹底して厳しく対応してきました。2020年2月以降、このCOVD19との闘いのなか、幸いにもベーテル職員が、ご家族から感染した例を除き、感染源となったケースは一度もありません。様々な制限、職員や患者さんご家族の協力のもと、「院内に持ち込まない」をなんとか保てています。 

 まだ、しばらくの間は、COVD19との付き合いは続くと思われます。引き続き全員での感染対策の徹底を図りながら、穏やかに無事に過ごせるよう祈っています。 

 

2022年12月19日 小島奈穂美 

12月1日 恒例イクチオステガ イルミネーション点灯式

 恒例のイクチオステガ点灯式。
今年もステキなイルミネーションに仕上がっております。
pm5:00〜8:00、12/28まで(予定)。
お近くをお通りの際は、是非ご覧くださいませ。

てんかんの天使たちⅢ
本日2022/12/1発刊

5年に一度の発刊なる!
2022.12.01 本日、
かなりあがうたう第7集
てんかんの天使たち
誰も知らないてんかんの話III
発刊です。
近日Amazonでも購入可能になります。


事前のお詫び 第二報
第8波COVID-19パンデミック襲来に心からのお見舞い

2022/11/23


 
 本日11月23日は勤労感謝の日で、祝日となった水曜日です。宮城県では4000人を超える新規感染者発生が報告されました。昨日22日の週日分が含まれるとはいえ、私どもは早期に第8波と呼んでおり、もはや第8波の呼称を躊躇っていてはなりません。
既に発生している事態ではありますが、前回同様、みなさまには心からのお見舞いを申し上げます。また、心して新型コロナウイルス感染第8波に巻き込まれないよう、お祈り申し上げます。
そして、また同じく申し上げます。ベーテルはスタッフが新型コロナウイルス感染もしくはこれが疑われる事態に巻き込まれている場合には、近時は丸二日目と丸三日目に抗原検査を実施し出勤を厳しく制限する対応のため、とある場合には人手不足で医療看護ケアに当たらざるを得ません。この事態は既に繰り返し繰り返し発生しております。再度、再々度とはなりますが、このための医療サーヴィスの量的低下については、予めのお詫びを申し上げます。このゼロコロナは世の嗤いを誘っておりますが、宜しきご理解とご支援、ご協力をお願い申し上げます。もちろん、サーヴィスの質的低下にはなりませんが、サーヴィス心のゆとりは量にも拠りますので、サーヴィスへの外目の評定が厳しくなることまでは否めません。
さて、新型コロナウイルスCOVID-19災禍に対する当ベーテルの取り組みは盟友ハンス・バーガー協会HBAの取り組みを含めて、既にかなりの詳細をご報告させて頂いております。極めて幸いにして、両者とも直接の感染者、いわゆる院内感染、組織内感染は一例もございません。神様の御加護と存じます。とはいえ、いつまで御加護の下にありつづけることができるかは分かりません。スタッフのご家族については、特に第七波からは濃厚接触またはその疑い、そして感染、二次、三次感染が次々と続発しております。ベーテルは他の恵まれた病院と異なり、たった一個病棟しかありません。インフルエンザがそうであるように、この30年間、院内の自発発生はなく、通常識らず知らず、スタッフが院内に持ち込みます。巻き込まれたこれらの不運なスタッフの出勤は「極めて厳格に制限」し、院内波及を阻止するのが経験則的な原則です。てんかん専門医療とてんかんケアの核たる「たった一個病棟」を守り切るため、の唯一の方法です。
とはいえ、前回もお伝えしましたが、現場ベーテル、現場ハンス・バーガーの感染対策はますます困難になってきています。その最たる理由は感染(者)と濃厚接触(者)に関する精確な情報が、公にはますます知らされなくなってきたことです。まして、それらの肝腎の定義すら曖昧で不明確なもので(少なくも容易には得られない)、もともと感染者の「個人情報の保護」なる別次元の法規則なる別物を潜り込ませた周到なもので、加えてその後の変更内容は更に意味不明なものとなり、結果として感染状況と感染経路情報はついに一度も正確には知らされなかったという事実を確認するだけでした。ましてや、特に、感染者数の全数把握が省力され、とどのつまりの結局は保健所関与という裏の正体だけがあるらしいを知り続けました。現場の感染予防(まん延防止とは異なる)の視点からは、ますますひどい杜撰さとなっています。
本来、病院自体は自前の感染予防対策を組織として構えることができます。(とはいえ、スタッフのご家族やご家族の生活環境についてまでは、そもそも情報はありません。スタッフのご家族情報を如何に詳細に把握しようと、その方々が通う学校なり職場の、その構図と人の流れまでは知り得ようがありません。この場合は、せいぜいご家庭内での感染予防にありきたりの助言を行う程度となります(有用です)。
感染予防対策は3年前はひたすら自粛、ただただ自粛の一字の意味のないものでした。ところが、ご時世は「自粛は建前」となり、感染はあって当たり前の粗暴さに変わりました。感染予防に必要とされるものは正確な感染状況の把握であり、また感染経路の精確な分析に基づいた①標的予防と、②感染蔓延予防対策です。
2019年の末に始まるCOVID-19災禍の最大の問題点は、国家の感染予防対策が「国民一人ひとりに個人的役割を求めていない」ことにあります。いわゆる酒場説が代表です。一風吹いて、二風、そして八風吹いている間に、COVID-19災禍は世人の予測を遙かに越えた複雑な事態であることが分かってきました。初期の感染爆発やその後の変異株出現が遠隔国からであったことから、第7波で世界に冠たるつい昨日までの日本が、当時は何とコロナ対策の優等国と呼ばれた時期もあったのです。
ながら、経済を疲弊させた過去の実績から、その両立を唱う第六波、第七波では、学校や機関での感染情報の発生情報も時を経る毎に稀薄化させるという明確な悪の方針を採りました。もう何も知らされなくなりました。個人の役割どころか機関や組織あての命令・指示らしきものも、緊急当座の対応らしきものが最後の最後に出てきたに装いを変えました。
個人を取り巻く感染情報が知らされないのでは、感染した個人すらも個人的な対応を取れません。「家に居れ」とは、家族全員の感染は仕方なしで、極めて危険です。インフルエンザウイルス感染なら予防接種に加え、対処治療薬があります。残念ながら、新型コロナウイルス感染は、いわゆるかかりつけ医から気軽に、手軽に頂戴できる一般治療薬はまだありません。ただの風邪扱いの考え方を吹聴するような論調が、おそらくその方が都合が良すぎる筋から主役のように出てきています。極めて無責任な「国」的発信です。憂慮します。元来、私たちはご都合「国」に命を預けた記憶はないのです。
コロナ第八波は一月前から、宮城県もそうである寒冷地での高感染率を誇っています。当方は感染者数を北海道、次にオキナワとみて、次に山形、宮城に飛び、神奈川、東京の順に見ています。冷涼地での感染者数の際立った増加が見て取れ、新たな新型コロナCOVID-19感染の全く新しい(そうであったろう)性質を教えられます。なお、最新のデータでは、オミクロン株の亜型BA.5の系統が欧米では変異株BQ.1となりながら更に変異のBQ.1.1へ変わり、一方アジア系ではBA.2由来のXBBが増加しており、日本もその傾向が垣間見えるまでになったと報道されています。この流れと寒冷地宮城の動向を注意深く見ていきたいと思います。
本日の宮城県での4500人弱なる感染者数は、単純に比較すれば東京では30000人以上に匹敵します。東京は本日、13000人弱です。これまでの経験上、宮城県での感染者数が100人を超えれば、ベーテルのスタッフやハンス・バーガー協会関係者の周りに新型コロナ感染者の噂が出るという認識となっていました。今や数千人に達するわけですから、ベーテルやハンス・バーガー協会関連者がもはや無事であろうはずがありません。
思考を停止せよ、思案するなと国は強弁していますが、私たち個人個人は
Stay safe from Covid-19 !
くれぐれも御身お大事に、お健やかに。 (Drソガ)